事務所経営で社長さんの気持ちに入れた!

松崎哲也税理士事務所  税理士・CFPR・決算書すっきりアドバイザー
松崎哲也 先生
埼玉県さいたま市浦和区常盤10-9-17 スクエア常盤2F 西側

昨年11 月に移転されたばかりのきれいな事務所は、窓から差し込む光で一段と明るく感じられます。移転時期が、ちょうど11 月だったため、そのまま年末調整、確定申告に突入してしまい、細かな整理はこれからとのことでした。開梱途中の荷物など税理士事務所ならではの一面も見られました。

この度移転されたのはどのような理由からだったのでしょうか。

松崎先生

一人でやる限界を感じたからです。一部記帳代行からお手伝いしているお客さまも、多くはありませんがいらっしゃいます。処理業務に多くの時間を費やしている現状では、「作業」から抜け出し、「付加価値のある業務」まで手が回りません。現在の状態を長く続けてはいけないと少しずつ感じていたのです。そこで、採用を考え、従来の居住用賃貸住宅では手狭だったので今の場所へ移転を決めました。

方向転換ですね。今後の事務所経営ではどのようなことを意識されていかれますか。

松崎先生

税理士事務所で勤務していた時と異なり、今はすべてにおいて自分で意思決定していかなければならないので、さまざまな視点で考える時間が必要になりました。通常業務を行いながらではどうしても時間に追われてしまい、現状維持で精一杯になってしまいます。これからの時代、現状維持のままでは立ちゆかなくなってしまうかもしれないと思い、できるだけ事前に手を打っておく必要を感じていました。目の前の作業は誰かに任せて、自分自身はもっとお客さまへのサービスの質の向上や事務所運営の今後について、数ある方法を取捨選択し、付加価値のある業務への移行について考えていかなければいけないと思っています。

独立、移転、そして人の採用と、それぞれの場面で悩みや不安があったかと思いますが、どのように捉え、また乗り越えてこられましたか。

松崎先生

確かに、それぞれで不安はあります。しかし、いずれも顧問先の社長さまの心境に近づき、共感するために意味のあるものです。独立に関しては、お給料をいただく側から払う側になりました。逆の立場になると分かるのですが、お給料を支払うことはとても大変な事です。以前は、ただ働けばもらえるものと考えていたのかもしれません。また、移転すれば家賃も変わります。採用で悩み、お金の支払いで悩みます。ただ、苦しいけれど経験していくことが大切だと思います。中小企業の社長さまは、同じような経験をしていると思うからです。実際に同じような経験をする事で、月次試算表のお話をする際などに、単に作られた数字や言葉であったものが、共感やアドバイスとなり、伝わり方が違ってくるのではないかと思っています。一つずつ経験していく事で、一つずつステップアップできると前向きに捉えています。

また、多くの気付きもありました。独立して1 年目は、一日電話が鳴らず、やることもない。仕事があることのありがたさを痛感しました。止まっていたら辛くなるので、いろいろと動きました。2、3年目は、その動いた結果、さまざまな団体等に所属させていただきました。多くのことを学ぶことができ、とても勉強になりましたし、多くの方とも出会えました。しかし、活動していくうちに、仕事を含めたすべてのことを円滑に行う時間的な余裕がなくなってしまいました。本来、多くの経験を積み重ねていくことでお客さまのお役に立つことが一番大事であるのにもかかわらず、そのお役立ちがきちんとできているのか? と強く思いました。業務が円滑に進まないのは、今の自分がさまざまな事を一度にできるだけのレベルではないからかもしれないと思い、一番大事な事にできるだけ時間を使うために、初心へ戻る事を決め、さまざまな団体活動を休ませていただいている状態になっています。

初心に戻った今、意識していることは何ですか。

松崎先生

入力事務や処理作業ではなく、顧問先の社長さまと一緒に今後のことを考え、話し合いをしていくことに時間を使っていきたいと思っています。しかし、1 人で経験できることは多くありません。今の自分が気づくことや受け取れることはある程度限られています。そこで、他の方の経験や視点からものを知ることがとても大切です。今の自分では到底、得られない経験やコツを知れば、お客さまによりよいサービスが提供できるはずです。

そこで音源データ等を利用しています。時間が限定されている中で学ぶ必要があるので、時間を節約しつつ、重要な情報を入手することに取り組んでいます。通常、視覚からが情報量は一番多いのですが、視点、考え方を変え、現状に適合していくために、耳からの情報を大切にしていきたいと思います。私共の名刺の裏にある「私達はお天道様に恥じぬよう、ものごとを全て善意に解釈し、明るく前向きに積極的に行動します」という気持ちを忘れずに取り組んでいきます。