とことん「ヒト」にこだわったら笑顔あふれる事務所になった

黒川税理士事務所  所長 税理士
黒川明 先生
東京都多摩市落合1-6-2-8階

平成20年の創業から、急成長をされてきた黒川税理士事務所。“急成長”という点が注目されがちですが、そこには「顧客満足は従業員満足から」という理念がありました。

 最近は、税理士先生向けの事務所作りをテーマとしたお話が多いということですが、事務所ならではの取組やこだわりをお聞かせください。

黒川先生

事務所作りやそれに関連する、採用、教育などの話のご依頼を多くいただきます。

こだわっているのは「ヒト」です。「人の魅力」では他の事務所には負けないと自負しています。追求しているのは「従業員満足」です。

よくある話ですが、スタッフがいきいきと働いていれば、それは顧客満足につながっていくと思っています。ですから、一緒に働いてくれている人たちが、笑顔で働けるよう心がけています。

毎日の朝礼では「24時間ハッピー&サンクス」といって、24時間以内に起きた幸せなことや感謝することを一人ずつ発表していきます。また、「経営理念作文」というものを毎月行っています。

事務所の経営理念について考えたことや、実行したことを全員が書き、それを回覧しています。このことから、自分だけではなくスタッフ全員で、皆がどんなことを考えているのか、どう感じているのかを知ることができます。

スタッフと家族の誕生日には、手作りのバースデーカードとプレゼントを渡しています。さまざまな形でコミュニケーションを取ることで、いつも笑顔あふれる事務所になりました。人を喜ばせるのは、仕事の基本ではないでしょうか。

 笑顔あふれる事務所作りには、理念に共感し一緒に働ける人がいないと難しいと思いますが、できるだけそうした人に入所してもらう工夫はありますか?

黒川先生

知識は実務経験を積むことで後からついてきますが、「ヒト」はそうではありません。

ですから、採用する際は、自分だけで面接すると失敗するので、できるだけ多くの人で見るようにしています。

人を見るときのポイントは「顔」です。実は「顔相」の勉強をしたのです。一緒にいて明るくなる人、暗くなってしまう人などを知る上での参考にしています

また、「風水」も取り入れています。事務所を風水の先生に見ていただいて、机の配置なども変更しました。それにより、笑い声が増えた気がします。

実は、事務所が拡大するスピードが速すぎて、スタッフがそれに追いつかけなくなり、疲弊してしまった時期がありました。

そこで、それまで事務所として重視してきたことにある程度目をつぶり、即戦力となる経験者を初めて数名採用しました。

ところが、いざ忙しくなると、仕事への考え方でズレが生じてきました。ものすごく悩みました。結局、事務所の理念や考え方に合わず、辞めていきましたが、その時に人の気持ちを揃えることの大事さを知りました。

スタッフが楽しそうに働いていると、お客さまにも安心していただけるし、親身になってもらえている、と感じてもらえます。逆に、いくら業績が良くても、働いている人たちがつまらなそうですと、それはお客さまにも伝わります。

また、社内のイベントにも力を入れています。食事会や地元のロードレース大会への参加などもしました。

今後の事務所の目標、方向性はどのようなものでしょうか。

黒川先生

拡大していくことで、お客さまのお役に立てる場面・サービスが増えていくと考えていますので、拡大はしていきたいと思っています。

一方、方向性としては、中小企業を取り巻くお困り事を総合的にサポートしていくことです。税務は「中小企業の経営」という観点から考えると、小さなジャンルの一つです。税務に限らず、お困り事を全面的にお手伝いしていきたいです。

ゆくゆくは日本各地に支店をだしてみたいですね。