「答えは社長の頭の中にある。答えを持っていく必要はない」この一言が所員を楽にする

2014 5
YMG 林会計  所長 税理士
林充之 先生
神奈川県横浜市緑区十日市場町861-6

事務所の入り口には、恐らく現存する数少ないオリベッティの機械と事務所の足跡を示した歴史軸が飾られています。そこには、先代への敬意とお客さまに支えられて成長してきたことへの思いが表れている気がします。

事務所の歴史というものを大切にされているようですね。

林先生

横浜に開業して45年、父親から引き継いだ事務所ですから、そこには父親の考え方が根付いています。その中で成長してきましたので、歴史とともに守ってきたものがあります。

もともと事務所は関内のほうにありましたが、お客さまに呼ばれるようにして現在の場所に移ってきました。

そして、この地域の方々に支えられて大きくなってきた事務所ですので、私たちを呼んでいただいた皆さんにお返しをしなければと思っています。

常に考えていることは、「どうしたらお客さまの幸せに貢献できるのか?」です。このことが事務所の根本になっていることなのです。

お客さまの幸せに貢献するために、どのようなことを重視されていますか?

林先生

会計事務所の担当者はいわば「専門性を持った御用聞き」、つまり、お客さまの困っていることを聞き出す役目です。

そのためにはコミュニケーションが大切だと思っています。われわれは職業柄、知識をインプットする力は大変あると思いますが、アウトプットが苦手な方が多いような気がします。

分かりやすく極端な例で言うと、インプットは「0」だけどアウトプットが「100」の人と、インプットは「100」だけどアウトプットが「0」な人ではどちらがお客さまに貢献することができるでしょうか。

例えインプットが「0」であっても、同じ所内には専門性を持った人が数多くいますので、お客さまとコミュニケーションを取って御用聞きになることさえできれば十分です。

しかし、この、「御用聞きになる」こと自体に苦手意識を持ってしまう所員が多くいます。

われわれは専門家ですので、お客さまからの質問に対する答えを常に用意しておこう、答えよう、と思ってしまいます。特に経営判断のアドバイスとなれば100人の経営者がいれば100通りあります。

そこで「我々は答えを持たなくていい」とよく言っています。

もちろん、税務的にはさまざまな方法論がありますが、最終的な答えは社長自身の頭の中にあります。会社のことは社長が一番よく知っているからです。

そして、社長は頭の中に答えを持ってはいますが、それはバラバラにある状態です。

われわれは、そのバラバラな点と点を線で結んで差し上げることを会話の中で行っていくだけです。良い質問をすれば、社長が勝手に頭の中で点と点を結んでいきます。

したがって、答えは社長の頭の中にある、答えを持っていく必要はない、と言ってあげると所員は楽になります。

質問時のコツは何かありますか?

林先生

質問する時のコツは、PDCA(Plan[計画]・Do[実行]・Check[検証]・Action[改善])を会話で行っていくことです。

先月行うことになっていた課題について、どのような結果となったか社長に質問します。そして、来月までの次の一手は何にするかを聞き取り、実行することを社長に宣言してもらいます。その繰り返しとなります。

その中で、社長自身が答えを出したり、時にひらめいたりしていきますので、満足度は非常に高くなります。

レガシィのフリーパスポート会員としてDVDをご利用いただいていますが、どのようにご活用いただいているのかを最後にお聞かせください。

林先生

事務所を承継した当初、税務はすべて自分で所員に教えていましたが、徐々にマネジメントとしての時間が多くなり、時間が足りなくなってきました。

現在は、所内で月に1度DVDを観る日程を決め有志で観たり、個人的に観たければ自由に観てもらうなど、事務所内の研修材料として活用しています。