専門特化することで新規顧客獲得を目指す

税理士法人フォルテシア  代表社員税理士
髙瀬智亨 先生
東京都江戸川区東小岩5-37-18

顧問料が下がる厳しい時代の税理士業界。そんな中であえて特定の業界に特化することで事務所をアピールし、お客さまを増やしている税理士法人フォルテシアの髙瀬先生にお話を聞きました。

税理士になったきっかけは何でしょうか。

髙瀨先生

私は二代目になります。私が小学校ぐらいの時に、父が税務署を辞めて税理士事務所を開業しました。それから将来は漠然とですがサラリーマン以外の仕事に就きたいと思うようになり、またやはり父が税理士ということもありましたので、税理士を目指すようになりました。大学卒業後は父の事務所ではなく、他の会計事務所に勤め、税理士試験に合格しました。その後、一時期父の事務所に在籍していたこともありましたが、10年間ぐらいは一人で事務所

を構えていました。最近になり父が高齢になったこともありまして、今年の4月からは妹と二人で税理士法人化して、父とも一緒に頑張っています。

今、特に力を入れている点はどんなところですか。

髙瀨先生

クライアントの獲得が大変な時代です。資格勉強中は資格を取ればなんとかなると考えていましたが、今はなんともならない時代です。父の世代は会社の新規設立も多かったそうですが、私が独立した頃は既に税理士も多く、事業所も少なくなり競争社会となっていました。さらに、私が独立したころは顧問料は月3万円が最低と言われていましたが、今はその1/3以下ですから大変な時代になったと思います。

そのような厳しい時代の中でどのような工夫をされているのでしょうか。

髙瀨先生

私の事務所では積極的にマーケティングを行っています。ニッチな業界ですが、今は治療院に特化しています。初めは医療機関に特化して、何十件かお客さまを獲得できましたが、既に大手事務所が医療に特化していましたので、そこからお客さまを増やすために、さらに特化して治療院にしました。

治療院に特化されていかがでしたか。

髙瀨先生

治療院とひと言でいいましても、整骨院や整体院、それこそ介護や巷で言われるところのボディケアといったマッサージ院とさまざまあります。その中でも接骨院と鍼灸院は、いわゆる国の医療保険や自賠責保険が使えます。受領委任という制度なんですが、この制度の取扱いが、医師や歯科医師等の医療機関と異なり、非常にあいまいでグレーな部分があります。医療保険も今は大変に厳しい時代になっていますので、このようなところの対応に苦慮することが多いです。

特化したことでの悩みはありますか。

髙瀨先生

特化した業界はいいのですが、違う業界からお客様が全然入ってこなくなりました。特化することで話がこなくなるので、そういう意味では不安になります。ただし、ある程度特化してお客さまが増えたら、今度は違う分野で特化する必要があるのかなと思います。

弊社の商品はどのようにご活用いただいていますか。

髙瀨先生

医療系に特化していることもありますので、よく医療関係の商品を聴いています。移動中や事務所にいる時などのすき間時間を活用しています。特に問題に直面した時に他の専門の先生がどのように考えているのかを知りたいと思い聴いています。また、事務所が大きくなるにつれて、いかに日々の業務を合理化できるかが課題です。そのような事務所経営に関する商品も参考にしています。

決算書協会にもご入会いただいておりますがお客さまの反応はいかがですか。

髙瀨先生

普通の決算書だとなかなか数字を説明しにくいところがあります。社長に興味を持ってもらい聞いてもらうのは難しいですが、決算書協会の決算すっきりシート(R)があればシンプルなので伝わりやすく、顧問先の社長も「なるほど」と仰ってくださるので助かっています。

今後の目標を教えてください。

髙瀨先生

税理士法人になりましたから、商圏を広げるという意味でも支店を出したいと思っています。治療院という業界に特化していますが、お客さまの数はまだまだだと思っていますので、もう少しお客さまを獲得して、ある程度の数になったらまた今度は違う分野で特化して、いくつかの分野の特化型事務所になりたいと考えています。