見切り発車でも、行けば何かある!

司法書士法人吉岡事務所  代表司法書士
吉岡剛 先生
神奈川県川崎市川崎区砂子一丁目4番地2 小島ビル201

開業18期目でスタッフ総勢9名。所長として着実に事務所を成長させてきた吉岡先生。しかし、10年前は、自分も朝から晩まで専門業務行うプレーヤーでした。いつ、何がきっかけで専門家から経営者への転換があったのでしょうか?

専門家から経営者へと転換されたきっかけは?

吉岡先生

平成22年に改正貸金業法が施行され、このままいくと過払バブルが崩壊すると思いました。当時は、事務所の売上の8割は過払金請求だったのです。このままでは、いづれ職員の雇用を守れなくなると焦りました。実際、平成23年、24年には、20名の事務所が過払バブル崩壊で3名になったとか、30名の事務所が廃業した、といった話が出ました。

そこで、登記の売上を増やそうと、銀行や不動産会社に営業に行きました。とは言え、一回の訪問でお客様を紹介してくれるはずはありませんから、同友会やロータリーに加入して人脈を広げたりと、いわば営業の多角化ですね、いろんな角度から営業しました。

私は「見切り発車」という言葉が好きで、とにかく行って見れば分かる、致命的な失敗をしなければなければ、失敗してもいいからまずはやってみようというスタンスで取り組みました。おかげで今は、登記8割になりました。

多くの先生が実務から離れられないでいるなかで、よく手放せましたね。

吉岡先生

それまでは、朝から晩まで職人としてあくせく動き回っているのが充実感にもなっていました。しかし、ロータリーの尊敬する先輩から、吉岡さんは、あくせく働き過ぎ。それでは経営できないよ、ただの忙しい人。経営者しか経営できないでしょ、と言われました。それで、勇気をもって経営者になると決めたのです。それまで、例えば全ての面談は私がやっていましたが、今は、まったくしてません。全て職員さんに任せています。

実務から離れたいくことは、とても不安でした。自分が面談をしなくて、売上を確保できるのか、という心配もあったのですが、先日レガシィさんでお話しさせていただいた不動産投資を平行して行っていましたので、売上が下がっても、職員さんの雇用は守り、自分の給料は下げてもなんとか食べていけるだろう、ということがあったので、チャレンジすることができました。そうですね、実務から離れるのに、実務をしないときめてから3年くらいかかったでしょうか。

では、今は経営でも営業と事務所の体制作りが中心ですか?

吉岡先生

営業については、今は、職員さんを営業同行に連れて行っています。そうするといかに営業が大変か、いかに所長が大変な思いをしてお客様を増やしてきたか、を肌で感じてくれます。そうすると、以前は苦労してお客様を獲得して事務所に帰ってくると、職員は仕事が増えて忙しくなるからと嫌な顔をしてましたが、今では、現在のお客様ももっと大切にしてくれるようになりました。

実際、この業界では、4名以下の事務所が、87%と聞きました。これは、新規のお客様を増やすのが大変だから人を増やせない、ということもあると思います。

あとは、経営計画づくりとその実行ですね。作ればだいたいその通りになります。これもレガシィさんでお話しさせていただきましたが、経営計画を作れない人が多いです。作るコツは、習慣化です。完璧を求めず、まず作ってみる。とにかく作れば習慣化していきます。ご飯を食べたら歯を磨くように、習慣化すれば何も考えなくても実行できます。人は、考えると、いろいろ考えすぎてかえってできなくなってしまいます。計画に書いていることをするのが当たり前、習慣化されれば、あれこれ考えずに実行できるようになります。そうすると、だいたい書いてある通りになっていくものです。