会社法の分野は 常に勉強しないと 追いつかないので、 若手の先生にとって チャンスです。

森・濱田松本法律事務所  弁護士
石井 裕介 先生
東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 丸の内パークビルディング

会社法立案担当者でもいらっしゃった石井先生に、出演商品の聴きどころや会社法を取り扱う若手の弁護士先生に向けたメッセージをお聴きしました。

ご事務所の特徴や先生の業務内容を教えてください。

石井先生

森・濱田松本法律事務所は、弁護士約370人の大規模事務所です。オフィスは、東京以外に大阪・福岡・北京・上海・シンガポール・ヤンゴン・バンコクに拠点があり、9月には名古屋にも開設予定です。また、大規模事務所にしては珍しく、パートナー・アソシエイト混合の大部屋にて業務を行っています。その中で、私は、法務省に出向し会社法の立案に携わった経験もあることから、会社法関係の仕事が中心となっています。株主総会、コーポレート・ガバナンス、会社関係訴訟、M&A・組織再編などに関するアドバイスを主に行っています。会社法の仕事は東京だけでなく色々な地域にあります。今後は国内の拠点を足掛かりに、東京以外のお客さまへのサービスもさらに拡大していきたいと考えています。

出演商品(「少数株主との紛争解決、会社売却の場面で便利! 会社法改正で使いやすくなったキャッシュ・アウト制度」)の聴きどころを教えてください。

石井先生

キャッシュ・アウトと聞くと大企業・上場企業のみが関係するイメージがあるかと思いますが、実は中小企業にも関係する場面が多々あります。キャッシュ・アウトは、先生方が日頃からよく使う制度ではないため、活用する際に手続が複雑で難しいと感じられるのではないでしょうか。講演では、キャッシュ・アウトの各手法の手続やメリット・デメリットを分かりやすく整理しました。その辺りが聴きどころです。そして、講演をお聴きいただくことで、例えば少数株主を排除したいときに、「従来の全部取得条項付種類株式の活用以外にも、会社法改正によって新たにこういった手法を使うことができ、お客さまの場合、新たな手法の方がよいのでオススメします」というように、より有益なアドバイスができるのではないかと思います。

会社法を取り扱いたい若手の先生に伝えていることはありますか?

石井先生

学生の勉強と実務は違う。ということです。学生の論文は理屈として通っていればそれでよいかもしれませんが、実務は違います。少数説をとっても何の意味もなく、実際の実務で用いられている判例や説に依拠するべきだということを伝えています。あとは、聞く能力です。検討材料はお客さまから与えられるものではなく、引き出さないといけません。学生時代は、予め材料が与えられ、その材料のみを用いて、答えを導き出していたかと思います。しかし、実務では、お客さまが始めから検討材料をすべて話してくれることはないので、「この情報は欠けている。ここは押さえておかなければいけない。」と感じ、聞き出す力が非常に重要です。これは会社法に限らずあらゆる弁護士業務に通ずると思います。上手く質問していくには、想像力も必要になりますね。

想像力を身につけるためには、どうしたらよいのでしょうか。

石井先生

新聞や雑誌を読み、会社というものの仕組みが分かっているとよいですね。本当は一回会社に勤めてみればよいのですが、なかなかそうはいかないので。あるいは、お客さんと仕事以外に、飲みにいったり、雑談できればよいのです。特に会社法の仕事をしていくには、相手の会社のことをよく知っておく必要があります。

最後に、若手の先生に向けてメッセージはありますか。

石井先生

会社法の分野は、どんどん法律が改正されていくので、若手の先生にとってチャンスだと思います。法律が変わらない場合だと、年配の先生の方が経験豊富なので追い越すのは難しい。会社法のような変化の激しい法律は常に勉強しないと追いつかないので、チャンスです。