「スキヤキ」のような事務所で100周年を目指す

YMG林会計 所長 税理士  
林 充之 先生
神奈川県横浜市緑区十日市場町861-6

以前にもこのコーナーに出ていただいたことのある林先生。その際は、「どうすればお客さまの幸せに貢献できるのか」という根本理念から導き出された、お客さまの答えの引き出し方をお話しいただきました。それから2年半経ち、50周年を迎えた事務所のこれからの在り方についてお伺いしました。

前回お伺いしてから約2年半の間に、どのようなことがありましたか

林先生

 2015年に、事務所開設から50周年を迎えました。節目として、過去の50年間で成功できたことを見直し、さらに100周年を迎えるためにどのような事務所になっていけばいいのかを事務所全体で考え、「カルチャーブック」という形で一冊の小さな冊子にまとめました。職員全員で携帯するとともに、お客さまにもお配りしています。

過去の50年を振り返って、どのようなことに気付かれましたか

林先生

 事務所がここまで発展できたのは、時代の流れを上手く先取りできていたからだということがよく分かりましたね。今のように会計ソフトが一般的になるかなり前からITを取り入れ、業務改革に取り組んできましたし、つい最近でも、マイナンバーなどは早期に対応しました。マイナンバー管理室という部署を設け、施行日までに情報漏えいを防ぐ事務所体制はほぼ作り終えることができました。お客さまにはご安心いただけていると思います。最近、増加している資産税関係の案件なども、父が税務署の資産税部門を担当していて税理士になったこともあり、昔から多くの相談に乗っていました。当時、資産家のお客さまが多くいらっしゃる横浜内陸部には会計事務所は少なかったため、お客さまに呼ばれるように臨海部から横浜市緑区に事務所を移し、今の事務所があるような形です。時代の要請への早期対応が、成功のポイントでしたね。

その50年の経験を踏まえ、次の50年にはどのような事務所を目指されているのですか

林先生

 「スキヤキ」のような事務所でありたいと考えています。50周年を機に職員全員に事務所の良いところを挙げてもらい、それをまとめた結果が、「スキヤキ」という答えでした。横浜で生まれ育ってきたという共通点、お客さまや地域など誰からも愛されるような存在でありたいという点や、各分野のスペシャリストが選び抜かれた具材のように調和しているという点、時代を先取りして新たな文化に挑戦しその文化を広めてきたという点、常により良い姿が研究され続けているという点が、まさに我々のこれまでの姿と今後目指すべき姿を重ね合わせられるように感じました。このような理念に従って行動し、スキヤキのように世界に知られる存在になりたいというのが、今後の50年で目指す姿です。

それを、手書きのイラストが描かれたカルチャーブックにまとめたのには、どんな理由があるのでしょうか

林先生

 お客さまにも親しみを持って読んでもらえるようにするためですが、親しみを持って読んでもらいたいのは、お客さまに、我々の「決意」を示すことと、「気付き」を提供したいという2つの理由からです。企業のお客さまに対しては、我々自身が先頭に立ち、旗を振って行き先を示すような役割を担いたいと考えています。このような取り組みを行っていることを見せて、「こういうものを作ればいいのか」とお客さまに気付いてもらい、経営理念継承などのヒントにしてもらいたいという思いです。そうして、我々もお客さまも、共に発展したいと考えています。

今後の事務所の発展に、レガシィの商品は役立てそうでしょうか

林先生

 「スキヤキ」のような事務所であり続けるため、職員全員に「調和」「挑戦」「英知」の3つの力を身に付けることを求めています。レガシィの商品は、「英知」の部分で活用しています。月1回、重要なトピックに関する商品を上映し、職員同士で議論することで、専門家としての知識を絶えず深めてもらっています。

最後に、今後の発展のために行っている、具体的な取り組みを教えてください

林先生

 営業力の強化のために、判子屋やオフィス向けの置き飲料事業を手掛けています。一見、突飛に思われるかもしれませんが、実印が必要な場面は税務が関係することが多いので、税務業務の依頼につながるのです。判子を受注する際、「母体が会計事務所なんです」と説明すると依頼に結び付きます。オフィス向けの置き飲料事業であれば、会社の総務・経理とつながりができ、最初に会社の同僚や上司が相談を受けることが多い相続案件の情報が手に入るので、そこから申告等の依頼を受けることができます。ホームページで顧客獲得を狙っても、すでに競争が激しいのでなかなか成功しづらいですが、このように他の事業を絡めることで、まだまだ戦う方法はあると感じています。柔軟な発想で、これからも発展し続けていきたいですね。