「地域」と「繋がり」を重視する会計事務所

清野宏之税理士事務所 所長 税理士・行政書士  
清野 宏之 先生
 
茨城県土浦市荒川沖東2-6-6

お話をうかがう中で、「つくば・土浦地域の会計事務所」であるということが清野宏之先生の中でとても大切なファクターであるように感じました。鉄道の開通によって、新たな活気が生まれている地域の中で、清野宏之税理士事務所がどのように動いてきたのか、短いインタビューの中でも先生の地域への愛着と経営者としての鋭さが表れていました。

先生の事務所がどのような事務所なのか教えてください。

清野宏之所長

父が開業した事務所を引き継いだのが平成15年でした。 父が税務署の法人税担当の職員であった経緯から、私どもの事務所も当初は法人業務中心でした。しかし、事務所をかまえておりますつくば・土浦地域は当時から法人数が減少傾向にありました。 ただ、この時から、私どもの事務所では、銀行から紹介をいただき年に3件ほどの相続税申告を行っておりました。また、当時の土浦地域で資産税に詳しい先生は少なかった気がします。 また、この時期はつくばエクスプレス開通まであと2年という時期でした。地域全体のあり方が変わっていく、その前夜という時期だったのです。 所長になりまして、これからの時代に事務所をどう運営していくかということを考えた時に、法人数が減り続けていく中、法人業務だけを行うのではなく、資産税業務に本格的に乗り出すことになりました。 資産税の大家の先生をお訪ねし、勉強会に加えていただき、資産税実務を一から学んでいきました。この試みがうまくいき、相続税申告を年間10件ほど受注するほどになりました。 また、つくばエクスプレスが開通すると、つくば市の不動産ビジネスが活性化し、地元の不動産業者やハウスメーカーからお仕事をいただくというような、これまでになかったことが起こるようになりました。  現在は、いずれは資産税専門にシフトしていくという方針で業務に取り組んでいます。

気軽に資産税の相談をしていただくための事務所の工夫があるとうかがいました。

清野祐美子副所長

私は、税理士資格を持っていないのですが、弊所での最初の相談窓口は私が担当しております。一般のお客さまにとって士業の事務所での相談というのは、格式の高いイメージがあり、会計事務所自身が考えているよりハードルが高いと思います。「こんな質問をしてもよいだろうか」という不安が少しでも軽減されるように、私が「相続関係のことをよく知っている身近な相談おばさん」として、お客さまに一番最初にお会いしています。 もちろん、専門知識がなければいけないので、NPO法人 相続アドバイザー協議会(R)の認定資格である相続アドバイザーや宅地建物取引士など必要最低限の資格は取得しております。 また、職員にも、会計事務所の商品は専門的な実務知識だけでなく、それを伝えるためのコミュニケーション能力もまた商品であることを繰り返し伝えています。

クレドを策定しているとおうかがいしました。

清野宏之所長

はい。私どもの事務所ではクレドとして3つの言葉を挙げています。土浦・つくば地域を元気にする「地活(ちいき)」。学び協力し合う「勉協」。未来へと続く家(族)を守っていく「家続」。この3つの言葉を大切にして、お客さまの人生のパートナーになれるように日々励んでいます。

レガシィの商品はどのようにお使いいただいていますか。

清野宏之所長

情報収集のために都内のセミナーに参加するのはとても有意義で刺激的なのですが、時間や体力的な制限を受けてしまいます。レガシィのストリーミングサービスでは、空 いた時間で、手軽に情報を収集できるので重宝しています。

最後に「清野宏之税理士事務所」の将来像をお聞かせください。

清野宏之所長

多くの地方の先生は、最終的に東京に進出しようと考えておられるかと思いますが、実は私はそうは考えておりません。 というのは、今後、先行する専門性のある事務所以外の会計事務所に求められる本当の役割は「つなぐこと」だと思うのです。なにも税務的なことだけでなく、地方に住む地主さん、不動産オーナーさんなどはさまざまなことに困っていて、どこに相談すればいいのかということも含めて悩んでおられます。専門的な相談窓口として「会計事務所」がお悩みを聞いて、実務の専門家たちにつなげていくということができればいいのではないかと考えています。私どもの事務所が、そうした「地域の窓口」になりたいと思っています。