機械学習の技術で 弁護士業務を クリエイティブに

株式会社日本法務システム研究所 代表取締役CEO 弁護士  
堀口 圭 氏
東京都文京区本郷4-2-2 北信ビル4階

弁護士資格を持ちつつ起業される先生方が増えています。その一人である堀口氏に今回登場していただきました。起業の経緯や、契約書作成プラットフォーム「COMMONS PAL」(コモンズパル)の中身について、お聴きしました。

「日本法務システム研究所」設立のきっかけは何だったのでしょうか。

堀口氏

契約書作成は、テンプレート探索や誤字脱字チェック、といったルーチンの時間が非常に多いと感じていました。本来ならば、どういった条項が最適か分析する、依頼者と直接話し合う、といったクリエイティブな部分に、弁護士業務の時間を割きたい。しかし、文章作成に関する良いツールが世の中にはない。ならばということで、モノ作りが好きな性格もあり、業務効率化ツールを作ってみたいと考え、2018年4月「日本法務システム研究所」を設立し、11月には、契約書作成プラットフォーム「COMMONS PAL」β版をリリースしました。

「COMMONS PAL」のサービス内容を教えてください。

堀口氏

「COMMONS PAL」は、クラウド上で、契約書を条項単位で保存して管理できるパズル式契約書作成WEBサービスで、契約書の作成時間を大幅に短縮することができます。ライブラリー化して保存された条項を検索すれば、いつでも欲しい必要な条項が出てきます。「いつもならば使っている条項が、今回は入ってません」「類似した契約書から、関連条項はこれです」といったことも指摘や提案をしてくれます。2019年4月には、チームでコミュニケーションを取りながら、契約書の作業が「COMMONS PAL」内で完結できるよう、バージョンアップしていく予定です。

弁護士先生には、どのように利用して欲しいですか。

堀口氏

 先生方が多く利用されているWordや一太郎のデータをメールに添付すると、ダウンロードする必要が出てきます。またコメントが使いづらいという問題もあります。こうした不便を解消するために色々と工夫を凝らしていますので、ぜひ「COMMONS PAL」を使って、弁護士業務を効率化していただきたいです。また、事務所単位で利用していただくと、各弁護士の属人的なノウハウを事務所内で共有することができます。新人弁護士やパラリーガルの方々への指導にも使えると思います。

今、様々な契約系リーガルテックのサービスが登場していますが、「COMMONS PAL」独自の特徴を教えてください。

堀口氏

「COMMONS PAL」の特徴は、今すぐ実用できる点だと思います。他のものよりも実践的なものであると、自負しています。あとは、契約書に限らず、法律系の文書ならば、コンテンツによらずに使えるところですね。

堀口氏をはじめ起業・副業をする弁護士先生が増えている印象です。そのメリットを教えてください。

堀口氏

視野が広くなる点がメリットではないでしょうか。私は、企業法務系の事務所に所属していますが、起業をしていなければ、システム関係を扱うことは基本的にないですし、一般民事の事務所に行く機会も少ないので、視野が広がります。今後も弁護士を辞めるつもりはありませんが、システムや機械学習の分野で活躍していきたいと思っています。

最後に、「元気だね通信」読者の先生方へ伝えたいことは。

堀口氏

今回は、契約書作成のお話をしましたが、弊社の学習チーム・開発チームができることは、他にも数多くあります。システムを構築する側だから分かることは多いです。これまでもセキュリティ鑑定の実績がありますが、今後も最先端のシステム開発の知識・ノウハウを使って、先生方のお役に立てることはあるのではないかと思います。何かご要望があれば、お気軽にご連絡ください。