弁護士の私がオンラインサロンを開いた理由

かなめ総合法律事務所  弁護士
岩﨑 祥大 先生
東京都港区虎ノ門5-3-2 神谷町アネックス6階

WEB上で共通の興味関心を持つ人々が集まる月額会費制コミュニティ「オンラインサロン」が注目を集めています。今回は、オンラインサロン「契約書の読み方」が学べるサロンを運営する岩﨑先生に、その取組みについて、お話を伺いました。

弁護士の岩﨑先生がオンラインサロンを始めたきっかけは何でしょうか?

岩﨑先生

企業で働いている知人に「営業から急に法務担当になってしまった。まず何から勉強すれば良いか」と聞かれて、そういえば企業法務を気軽に学べる場ってないなと、気がつきました。そこで、契約書の読み方を気軽に学べる場があったほうがいいのではないかと考え、昨年、オンラインサロン「契約書の読み方」が学べるサロンを立ち上げました。

「契約書の読み方」が学べるサロンでは、どのようなことをされていますか?

岩﨑先生

私が作成した契約書の雛形をベースに、契約書の読み方やチェックポイントを解説したオンライン動画を、月1回配信しています。また、外部の方を招いたオフラインイベントも定期的に開催しています。例えば、株式会社Holmes代表取締役CEOの笹原健太氏、READYFOR 株式会社執行役員CLOの草原敦夫氏、私の3人で「弁護士から見たスタートアップの資金調達」という懇親会付きのイベントを、今年2月に開催しました。サロン参加者の中には、大手事務所を辞めた私の経歴に興味を持たれている方もいらっしゃいますので、大手事務所の内情や就活の話などの情報発信も積極的に行っています。サロンの会員数は、現在90人程度で、若手弁護士、こういった試みを応援してくださる先輩弁護士、いわゆる「一人法務」と呼ばれる企業の法務部員などの方々に参加していただいています。

「契約書の読み方」が学べるサロンを運営して、よかったことは?

岩﨑先生

日常的な弁護士業務の中では、まとまったインプットの時間はなかなか取れません。毎月契約書の解説動画を撮ることで、強制的にインプットの時間を取れるようになったことは、よかったです。あとは、自分がコミュニティを運営していると、ある程度イベントの集客の見込みが立ち、そのコミュニティに興味を持ってくれる人が増えます。すると、自分が話を聞きたい人を呼んだイベントを企画しやすくなったのもよかったです。弁護士で何か新しいことに挑戦している人は少ないので、何かをするだけで差別化でき、評価してもらえるというのは、正直お得です。何か思いついたら、まずはやったらいいのでは、と思います。最近は、弁護士資格の価値がどんどん下がっており、弁護士になっても稼げなくなった時代と言われています。確かに昔に比べると人数が増えて難しくなった面もあります。しかし、何か掛け算できるものを見つけると、そのレバレッジは効きやすい資格だと思います。

最後に、岩﨑先生が今後注力していきたいことを教えてください。

岩﨑先生

オンラインサロン、イベント、弁護士業務の三本柱を軸に、今後も、楽しそうなことに積極的に挑戦したいと考えています。「資本主義社会を生きていく上で、一番幸せになりやすい方法は、『生産する娯楽』を持つことだ」ビジネス書の作家としても有名な北野唯我氏の言葉なのですが、「本来お金を払ってでもしたいこと、自分にとっての娯楽が、お金になる仕組みを作れたら、消費する必要がなくなり、幸せに生きられる」という意味でして、私もその通りだなと共感しています。私にとっては、オンラインサロンやイベントを開催することが『生産する娯楽』だと思っています。そして、人とのつながりが広がっていけば、弁護士の仕事にもつながっていくと考えています。