自分にしかできない仕事を見つけてコモディティ化を回避

夜明けの翼法律事務所  弁護士
板谷 健太郎 先生
長野県長野市西後町 1597-1
長野朝日八十二ビル2階

今回は、長野県長野市で法律事務所を独立開業して12年目を迎える夜明けの翼法律事務所の板谷健太郎先生に、事務所の特色や注力している業務、レガシィのセミナーの活用法などについて伺いました。

事務所を設立したきっかけを教えてください。

板谷先生

生まれ育った千葉市で弁護士登録をすることも考えたのですが、一生涯仕事をするなら、山があって水と空気の美味しい場所で生活を楽しみながら仕事をしたいと考え、長野で登録しました。最初の3年間は武田法律事務所(現:長野第一法律事務所)で勤務弁護士としてお世話になりました。もともと一匹狼的なところがあり、せっかく弁護士になったのなら自分の名前と理念で仕事がしたいと思い12年前に独立しました。

事務所の特色を簡単に教えてください。

板谷先生

事務所名は個性的ですが、中身はごく一般的なマチベンの事務所だと思っています。ただ、一般市民だけでなく企業の方々からも「きちんとした仕事をする事務所」という印象を持ってもらえるように、きちんとしたビルを借り、内装はホテルのラウンジや会議室をイメージした作りにしました。あとは、同世代の弁護士の中では少数派かもしれませんが、紙の本が好きなので、18坪の書庫を設けて書籍を積極的に購 入するようにしています。学者の体系書をはじめ、法律雑誌や判例集も揃え、図書館に行かなくても調査研究ができるようにしています。

日頃どのような案件を扱うことが多いでしょうか。また、力を入れて取り組んでいる業務分野を教えてください。

板谷先生

地方の一般民事の事務所ですので、離婚や相続、債務整理案件はもちろん多いですが、保険会社の顧問をさせていただいていることもあって、交通事故や火災新種保険の事件が特に多いです。また、地方では若手の頃から規模の大きな破産事件の破産管財人に選任されることも多く、管財業務もかなりの比重を占めています。

ご自身の弁護士としての強みはどのような点でしょうか。

板谷先生

強みといえるか分かりませんが、他の人より苦労してきたことでしょうか。私は、司法試験合格までに長い年月がかかりましたし、司法研修所でも高度な講義についていくのがやっとでした。ただ、ゲーテの「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味は分からない」という言葉のとおり、苦労をしてきた分だけ、優しさと強さのある弁護士に、少しは、なれたかなと思っています。

レガシィの動画・音声セミナーの活用法を教えてください。

板谷先生

裁判所の支部には自家用車で移動するため、車内で聴くことが多いです。レガシィのセミナーは話に無駄がないのがいいです。レジュメがなくても聴いて分かるように講義の仕方が工夫されているのも助かります。最近、特に役立ったのは『交通事故被害者からの過剰請求対策』です。保険会社側の視点での講義は貴重だと思います。これまで保険会社側の弁護士としてやってきたことの正当性を再確認することができました。

最後に今後の展望をお聞かせください。

板谷先生

独立当初は、規模を拡大していずれは法人化ということも考えていましたが、今はむしろ「こぢんまり」とした1人事務所の体制の方が動きやすいと考えています。また、長野でも弁護士が増えてきたので、コモディティ化しないように、例えば、温泉関係の顧問業務で扱うことが増えてきた温泉権や水利権の分野を深化させたいと思っています。独立後10年が過ぎたくらいから、ようやく複眼的に仕事を見られるようになってきました。今後はこれまで以上に判例や学説を研究して充実した深い書面を出せるようにしていきたいと考えています。