特定分野に傾注し、業務の質と生産性の向上を両立させる

弁護士法人長瀬総合法律事務所  代表弁護士
長瀬 佑志 先生
牛久本部 茨城県牛久市中央 5-20-11 牛久駅前ビル201 (他、3 つの支所がある)
YouTube チャンネル「リーガルメディア企業法務TV」

今回、お話をお伺いしたのは、茨城県に4つの事務所を構える弁護士法人長瀬総合法律事務所の代表弁護士の長瀬佑志先生です。個人法務から企業法務に軸足を移した理由、WEBセミナー・YouTubeの活用など興味深いお話をお聞きしました。

弁護士になられたきっかけを教えてください。

長瀬先生

私の叔父が検察官だったこともあり、子供の頃から検察官や弁護士の話をよく聞かされていました。子供の頃から法曹の仕事を身近に感じていたことが影響したと思います。また、弁護士が大規模事件の弁護団長として活躍している様子をメディアで見て、「法曹関係者は一人の力で世の中を変えるきっかけをつくることができる」と感じたこともあります。

ご事務所の特徴を教えてください。

長瀬先生

企業法務案件をはじめ、特定の分野に傾注して案件を扱っていることが特徴だと思います。現在は企業法務のほか、個人法務であれば交通事故分野、離婚・相続分野に傾注しています。企業法務案件の比率は、事務所全体で約3割になります。

企業法務に軸足を移しているのは、なぜでしょうか?

長瀬先生

企業法務を必要とする中小企業は地方都市でも多数存在しますが、どのように企業法務を活用すればよいのかを認識できない企業が少なくないように感じています。企業は地方都市の雇用と経済を維持・発展させるために欠かすことができない存在であり、私たちは企業への貢献を通じて一緒に地域を発展させていきたいと考えています。また、法律事務所の経営という面を考えても、顧問サービスを中心とした企業法務を展開することで、安定的な事務所運営を実現できるというメリットがあると感じています。

企業法務の中でも、どのような業務が多いでしょうか?

長瀬先生

企業の4大経営資源はヒト・モノ・カネ・情報ですが、企業経営者からの相談事項もこの4つに関わるものが多いですね。ヒトという点では、労務管理に関する相談として、残業代請求や雇用契約の終了の場面のほか、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントに関する相談も増加しています。モノという点では、契約交渉や契約書の作成・チェックに関する相談になります。カネという点では、債権回収に関するご相談ですね。情報という点では、最近は情報管理の一環として、社外からの誹謗中傷対策のほか、従業員のSNSによる不適切な情報発信がされないような対策についての相談が寄せられています。今後もこれらのニーズに応えた対応ができる体制を構築していきたいと考えています。

ご事務所では、WEBセミナーを定期的に開催されていらっしゃいますが、リアルセミナーと比べた難しさや良さを教えてください。

長瀬先生

WEBセミナーは利点も多く、今後も積極的に活用したいと考えていますが、リアルセミナーと比べた場合、参加者の反応が見えにくいという問題があります。例えば、ZOOMのようにパネル形式で視聴者の姿を見ることができても、全員がビデオをONにしていただけるとは限りません。また、WEBセミナーは、録音・録画されている可能性もありますので、不用意な発言をしていないか注意するようにしています。もっとも、WEBセミナーは、場所や時間の拘束が少なく、開催のハードルが低いというメリットがあります。また、WEBセミナーは記録されるリスクはありますが、逆に記録することで情報発信に積極的に活用できるというメリットもあります。当日セミナーには参加できなかった方でも、WEBセミナーを記録することで後日視聴いただくことも可能になるほか、顧問先へのサービスに発展させることも可能になります。

どのようなテーマのWEBセミナーがYouTubeで多く見られていますか?

長瀬先生

当事務所の母壁弁護士が解説した「改正法施行!ハラスメントセミナー パワハラ対策のポイント」など労務管理に関するセミナーが多く視聴されています。単純にリアルセミナーの参加者数とYouTubeでの再生回数では効果の比較はできませんが、それでもリアルセミナーでは期待できない人数に対してYouTubeであればアプローチできることはとても魅力的ですね。

ご事務所の今後の展望をお聞かせください。

長瀬先生

企業法務案件を中心としながら、個人法務分野でも特定の分野に傾注し、業務対応の質と生産性の向上を両立させたいと考えています。働き方改革の重要性が叫ばれ、私たちも顧問先に働き方改革への対応を推奨していますが、自分たち自身も即応した体制を構築する必要があります。一方で、依頼者からの期待にも応えていくためには、真剣に業務効率の改善に取り組み、業務対応の質と生産性の向上を両立させなければなりません。この取組みを続けていく中で、依頼者からも、所員からも、なくてはならない法律事務所を目指していきたいと思います。