事務局とデジタルツールの積極活用で、県内最大規模の法律事務所に

弁護士法人宇都宮東法律事務所  弁護士
伊藤 一星 先生
栃木県宇都宮市東宿郷4-1-20 山口ビル4階

今回は、独立して7年で栃木県最大規模の法律事務所にまで成長している弁護士法人宇都宮東法律事務所の伊藤一星先生に、お話をお伺いいたしました。事務所規模拡大の秘訣である事務局とデジタルツールの有効活用法、顧問先にサービス提供しているEAP(従業員支援プログラム)について教えていただきました。

伊藤先生、ご事務所のこれまでについて教えてください。

伊藤先生

栃木県宇都宮市で弁護士登録をして、1年半ほど別の事務所で修行をした後、事務所の同僚であった弁護士の妻と結婚したのを機に、2015年7月に独立しました。その後、1度目の移転、法人化、2度目の移転を経て現在に至りますが、弁護士が7名、事務局が14名という人数は県内でも最大規模かと思います。

規模拡大の秘訣は何でしょうか?

伊藤先生

1つ目が、事務局の積極活用です。私は、法科大学院を卒業してから2年ほど法律事務所で事務員の仕事をしながら司法試験の勉強をしていました。その経験から、法科大学院で学んだ知識などを活かして非資格者であっても弁護士の監督のもとで事件処理に携わることができることを経験上分かっていました。そこで、事務局には、事案を理解してもらうために相談に同席してもらったり、依頼者からの電話の用件をまず聞いてもらって一次対応をお願いしたり、最終的にはもちろん弁護士が内容をチェックしますが、簡単な書面のドラフトを作成してもらうなどして、事件処理に携わってもらっています。事務局を積極活用することで、依頼者対応を緊密に行うことができますし、業務効率を上げて事務所の生産性を上げることができます。医師と看護師の関係のように、弁護士と事務局もお互いの仕事内容を尊重し合って一緒に協力して事件処理にあたることを目指しています。なお、弊所では事件処理に携わっている事務局の半数程度が日弁連の事務職員能力認定試験に合格しており、事務局であってもいわゆるパラリーガルとしてプロ意識を持って事件処理に携わってくれています。2つ目が、デジタルツールの積極活用です。案件管理や入金管理の場面でkintone(Cloud Balance)やBoxなどを活用し、日々のコミュニケーションツールとしてChatworkやLINEを活用しています。これらは、スマホにも対応しているので、外出先や自宅でも事件処理の内容を確認することができますし、弁護士と事務局が協働して事件処理を行うための情報共有ツールとしても活躍してくれています。

EAPを積極的に企業にご提案されているとお聞きしたのですが、EAPについて教えてください。

伊藤先生

EAPは、Employee Assistance Programの略で、 日本語にすると「従業員支援プログラム」となります。EAP自体は、医師による健康相談や、カウンセラーによるメンタル相談などを含めて、従業員が抱える私的問題を解決するためのプログラムを会社の福利厚生の一環として提供するものですが、私達弁護士が行うEAPは、従業員が離婚や相続や交通事故や借金などの法的トラブルに巻き込まれたときに、福利厚生の一環として従業員からは費用をもらわずに法律相談を行う制度となっています。

EAPのどのような点に魅力を感じましたか?

伊藤先生

まず、福利厚生の一環として、従業員本人やその家族からの法律相談に無料で応じる制度となっているので、一般の方が弁護士に相談することの敷居を下げることができる点に魅力を感じています。また、法的トラブルが生じた際に弁護士が適切に助言や介入をすることで、従業員が仕事に専念できる環境を提供し、会社自身の生産性向上にも貢献できます。これにより、会社に対する従業員満足度を上げて、優秀な人材の確保や定着につなげたり、会社の評判を上げることで企業価値の向上にもつなげることができます。さらに、この制度が世の中に広がっていくことで、誰でも気軽に弁護士の提供するリーガルサービスにアクセスできる社会が実現されて、従業員を大切にしながら会社経営をしていく企業が増えていくことで労使紛争が減ることにもつながると思っています。このようにEAPは、従業員にとっても、会社にとっても、社会にとってもメリットのある制度かと思います。私も入っている一般社団法人弁護士EAP協会(L-EAP)でもこの制度を広めていくための広報活動などを行っていますが、EAPに興味を持ってくれた弁護士の先生方は是非協会のHPをのぞいてみてもらえればと思います。

最後に、レガシィの商品の活用法を教えてください。

伊藤先生

私の活用方法は、机に座って講座を聞くというよりも、車での移動時間に講座を聞き流して耳で学習するというものです。移動時間に何度も聞き流して気になるところは後からレジュメを見て確認するといった感じです。新しく相談を受ける分野についても、その分野で一流の講師の方が分かりやすく講義をしてくれるので、大変重宝しています。また、気になるタイトルは販売中止になってしまう前にすぐに買うようにしています(笑)。