民法の改正で相続が変わる

民法の改正で相続が変わる

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配偶者が住居に住み続けられる

 昨日3月13日、民法の相続に関する改正案等の関連法案が国会に提出されました。
 今回、重要なポイントと考えられているのは3つで、
① 配偶者が死別後にも居住していた住居に住み続けられる「居住権」を与える
② 「自筆証書遺言」を法務局で保管することができる
③ 介護・看病で貢献した相続の権利が無い者が金銭請求等をできるようになる
ということのようです。

 ①に関しては、今まで「配偶者の税額の低減」や婚姻期間20年以上の配偶者への居住用不動産の贈与税の控除などがありました。法定相続分に関しても配偶者は優遇されています。
 それでも、居住用不動産が財産評価の大きな割合を占めることが多いため、必定、老後の預貯金等に不足感が出ます。そのため、居住権という評価額が少ないものを与え、相続財産における配偶者の取り分を増やそう、という理由だそうです。
 ②は今まで紛失しがちであった自筆証書遺言の在りかが明確になるという点で、税理士等相続に携わる専門家が非常に助かりそうです。
 ③においては、例えば相続人の妻が被相続人の介護を一生懸命しているという世相を反映して、そうした方にも報いる制度を、ということであります。

 相続発生が増え続ける現在、より世の中の状況に合わせた法律の改正案が提出されました。相続実務に大きな影響を与える今回の民法改正ですので、注目していく必要があるでしょう。