ADRの利用拡大に向けた動き出す

ADRの利用拡大に向けた動き出す

レガシィ編集部員が見聞きした、司法書士・司法書士事務所にまつわるニュースをお知らせしていくのが「司法書士業界ニュース」。新しい法制度の話題はもちろんのこと、業界に関連する社会・経営・経済の話題や、講師の先生からお聞きした話など、さまざまなニュースをお届けしていく予定です。

法務省がADR法改正の検討を開始

新聞報道によれば、法務省は民事上の紛争を訴訟よりも迅速で安価に解決できる
「裁判外紛争解決手続」(ADR)の利用拡大を目指し、
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)の改正に向けた
検討を進めているとのことです。

法務大臣に認証されたADR機関は現在151団体あるものの、
申立てを受けた相手方が応じないケースが多かったり、
合意内容に強制力がないなどの現行制度の課題の改善に向けて、
法務省は今後、有識者検討会を発足させ、2019年中の法整備を目指すとのことです。

認証ADR機関は、司法書士会を始め、弁護士会、NPOなどによって運営されていますが、
受理件数は2011年度の1,347件をピークに微減し、2017年度は1,071件にとどまっています。

制度創設以降、利用が広がらない背景には、
・申立てをしても相手方が応じないケースが3割近くに上る
・当事者が和解合意しても裁判所の判決のような執行力がない
といった制度上の問題も指摘されています。

また、認証機関がよく知られていないことも一因であるとして、
本年4月には、一般財団法人 日本ADR協会が、法務大臣に制度改善に向けて、
以下の内容を含む提言書を提出しています。
(1)裁判所の決定で和解合意に執行力を与えられる規定を新設
(2)相手方に手続に応じる義務を課せる場合の拡大
(3)訴訟中でも裁判所が必要と認めるときは、認証機関での手続に移行できる規定を設ける など

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ADRは、裁判とはそもそも性質が異なるため、制度の利用促進はなかなか難しいと思われますが、
今後の法整備によって少しでも使いやすく改善されることを期待したいものです。