人事訴訟法等の一部を改正する法律が成立
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弁護士にとって、国際離婚実務のハードルが下がる!?
国際結婚や渉外相続等に関する「人事訴訟法等の一部を改正する法律」が
4月18日の参院本会議で可決、成立しました。
法務省ホームページに法律案が公表されています。
こちらから
改正法の成立により
国際結婚や渉外相続等に関する人事訴訟事件および家事事件の
国際裁判管轄が整備されることになります。
これまでは、例えば、日本国内に居住する日本人の妻が
米国に帰国して別居状態になっている米国人の夫と離婚したい場合には
妻が日本で離婚訴訟を提起できるかについては
個別の事情を加味して裁判所が判断していました。
(基本は被告(夫)の住所地で訴訟を提起することになり
妻が必ずしも日本で訴訟を起こせるわけではありませんでした。)
離婚事件実務に精通する元裁判官の秋武憲一先生は、次のように仰っています。
現在、我が国では日本人と外国人との国際離婚の紛争が増えており
子の親権者や財産分与の争いも激化している。
また、我が国に居住する外国人同士の離婚等の紛争も増加している。
他方、これまでこうした問題は、裁判管轄の問題もあり
我が国の裁判所に訴えを提起して良いのかなどについては
専門弁護士以外には分かりにくく、裁判官も同様の状況であった。
しかし、人事訴訟法等の改正がされれば、まず、改正法を見ることで
裁判管轄の問題が分かり、これが分かれば、次に、法の適用に関する通則法により
その事件について適用される法律を調べれば良いということになる。
したがって、国際離婚等についても、一般の弁護士も相談を受けたり
受任したりするケースが増えると思われる。
秋武先生は、法改正後の実務がこのようになるのではないかと見ています。
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