「漫画村」への接続遮断(サイトブロッキング)が論争に

「漫画村」への接続遮断(サイトブロッキング)が論争に

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サイトブロッキングは「違法」と弁護士が提訴

政府からの海賊版サイト「漫画村」に対する接続遮断(サイトブロッキング)の要請を受けて、プロバイダー最大手のNTTグループが、4月にブロッキングを実施したことに対して、有識者らからは、「通信の秘密」を定めた憲法21条に抵触する可能性があるなどとして批判の声が上がっています。

ご存知の方が大半とは思いますが、海賊版サイトとは、漫画・同人誌・アニメなどを著作権者に無断でアップロードし、本来は有料のコンテンツを無料で閲覧できるのが大きな特徴で、若者やネットユーザーの間で急速に普及している一方、漫画家や出版社の被害は甚大で、損失は数千億円に上ると推計されています。

サイトブロッキングの実施には、プロバイダーがインターネット利用者の通信を監視しなければならないため、上述のとおり「通信の秘密」を定めた憲法21条と電気通信事業法4条に抵触する懸念が指摘されているのですが、このサイトブロッキングの措置は対しては、当該プロバイダーのサービスを利用している弁護士から差止めを求める訴訟が東京地裁に起こされています。

また、福岡県警は、「漫画村」の運営者らに対して、著作権法違反の疑いで捜査を開始したとの新聞報道もあり、それぞれ今後の動向が注目されます。