交通事故事案は機械的にできるものではなく、常に研鑽を積まないといけない

力武法律事務所  弁護士
力武 伸一 先生
長崎県長崎市万才町7番1号TBM長崎ビル4階

今回、お話をお伺いしたのは、長崎県長崎市でご活躍されている弁護士の力武先生です。 交通事故事案に注力している理由、印象的だった案件のエピソード、レガシィの商品の活用法についてお聴きしました。

弁護士になられたきっかけは何でしょうか?

力武先生

司法試験合格後は検察官志望でしたが、法律事務所での司法修習がきっかけで、弁護士志望へと変わりました。表情も暗かったり、感情的になられていたトラブルを抱えた方々が、弁護士の先生のアドバイスを聞き、事件が解決していく中で、笑顔が見えたり、明るくなられたり、落ち着かれたりしていく。そうした姿を拝見していくうちに次第に、裁判官や検察官とは違う弁護士という仕事の魅力に惹かれていきました。

ご事務所で注力されている業務を教えてください。

力武先生

個人様あるいは顧問契約している損害保険会社様、双方の交通事故事案が主力ですね。現在は、交通事故事案を常時100件程度抱えています。独立・開業し、偶然にも交通事故事案のご依頼を多くを受けていた頃、私自身が、実務的・学術的に交通事故事案に高い関心を持っているので、ストレスをあまり感じず、苦にならないことに気づきました。ちょうど事務所としても、何か特色を出していきたい時期でしたので、交通事故事案に力を入れて深化させていこうと思ったのです。

特に印象的だった案件はありますか?

力武先生

交通事故の死亡事故で、亡くなられた方のお子さんからご依頼を受けた案件ですね。状況としては、横断歩道を歩行中に車に衝突して亡くなられました。その時、赤信号であったため、保険会社としては、亡くなられた方の過失が大きく賠償には応じられないという回答でした。そこで、被害者請求で回収できる分は回収し、加害者の方に対して裁判を起こしました。最終的には、裁判所が、こちらの過失は相手より小さいとした和解案を提示してくれ、相手の保険会社も了承して和解が成立した事案でした。お子さんへの心情的な配慮も含めて負担の大きい案件ではありましたが、賠償が獲得できたことで皆様に安心してもらえ、お子さんの思いが裁判所に伝わったというところで、印象に残っています。

実務の最新情報やノウハウは、どのようにして集めていますか?

力武先生

我々の仕事は法改正があったり、最新の判例が出たりしますので、常に最新の情報には敏感でいないと、仕事のミスにつながってしまいます。私の場合は、レガシィなどの民間企業のセミナー、医療調査会社が独自に行っているセミナー、所属している長崎県弁護士会や日本交通法学会の研修・講義などを利用しています。もちろん文献も新しいものが出れば、可能な限り素早くアップデートしています。

レガシィの動画・音声セミナーの活用法を教えてください。

力武先生

実務で問題になっていたり、自分自身の問題意識が反映されていたりするものが多いので、毎月どんな新しい商品がアップされているか、楽しみにしています。事案で悩んだときは、すぐレガシィの商品を探すこともあり、私にとっては仕事をする上で役立っています。聴いてよかったセミナーは、寄井真二郎先生の『むち打ち・TFCC損傷 賠償金増額の最新テクニック』です。むち打ちという、賠償金を獲得することが実は難しいテーマで、様々な経験を積まれている弁護士の方の講義は参考になります。また、『非該当とは言わせない! 「高次脳機能障害」の主張方法 医学知識編』など顧問医の先生の講演も勉強になります。

コロナ禍で、情報を取りにくくなったなど困っている点はありますか?

力武先生

確かに直接、弁護士同士が集まって、気軽に話しにくくなっていることは感じるところではあります。ただ、私の所属している長崎県弁護士会は比較的、弁護士同士の距離が近く、分からないことがあれば電話やメールで情報交換をしたり、メーリングリストで最新の情報を提供してくれる先生がいたりします。また、ZoomやTeamsなどコロナ禍ならではといいますか、遠隔でみんなで集まって議論する場もありますので、情報収集で不便さを如実に感じることは、私の場合はないですね。

最後に、力武先生の今後の展望をお聞かせください。

力武先生

交通事故事案は機械的にできるものではなくて、常に医療的な知識や最新の判例を学び研鑽を積まないといけない分野かと思います。まずは、そこを深化させて、多くの交通事故被害者の方が適切に賠償金を獲得できるよう貢献していきたいです。あとは、以前はむち打ちの方のご相談が多かったのですが、最近では骨折以上の重症、重い後遺障害、死亡といった事案も増えてきていますので、重症・死亡事案にも力を入れていきたいと思っています。