困っている社長さんがついつい4時間本音を話す

2012 6
名倉会計事務所  税理士
名倉義夫 先生
東京都立川市錦町2-2-2

会計事務所とは思えない素敵な外観。扉を開けて中に入るとまるで個人宅にお邪魔したような雰囲気から、2階の所長室へと上がると木をふんだんに使用した、天井の高い別荘の一室かと思うような素敵な空間が広がります。

お伺いするにあたり、事前に住宅街にある普通の家だと説明を受けていましたので、正直驚きました。特に、2階のこの部屋は素敵ですね。

名倉先生

ありがとうございます。建てて5年くらいになるかと思いますが、会計事務所らしくない事務所を建ててほしいとお願いして、設計士と相談しながら建築しました。過去に2つの事務所での勤務を経験して開業しましたが、税理士事務所のイメージはある程度決まっています。ですから、従来の税理士事務所イメージを払拭した、木を多く使った事務所にしました。

なぜこのような作りにされたのでしょうか?

名倉先生

以前はビルの一室に事務所を構えていましたので、お客さまに来ていただいてお話をお聞きしている時、事務所のスタッフにもすべて筒抜けでした。自社の経営に関する深刻な話をする時に、事務所のスタッフといえど周りに人がいるところでは話しづらいこともあります。お客さまが安心して何でも話していただけなければ、本当にお役に立つお手伝いはできません。ゆっくりと安心してお話しいただける空間を提供したかったという理由が大きいですね。

所長室のある2階には基本的にスタッフも上がってきませんので、お客さまと1対1でお話をすることができます。今までは、およそ1時間程度のお話であったのが、2時間、3時間とか、最長で4時間いらっしゃった方がいます。経営者の方は、安心して話せる人がそんなにいませんから、その意味で良かったと思います。

お客さまと本音で話をされる中で心掛けていることはありますか。

名倉先生

目指すところは経営指導ではなく社長さまの心の中を整理するお手伝いです。そのためには、お客さまに質問していくことです。お客さまからは、売上が上がらないなどのご相談があるのですが、売上を上げる指導は私にはできません。それは、経営者であるお客さまご自身が考えることだと思います。ところが、お客さまはさまざまな悩みや相談を言ってこられます。例えば、売上が落ちて困っているとお客さまから言われることがあります。しかし、売上が落ちて困るといっても漠然としています。そんなときは例えば、「売上が落ちているとおっしゃるけれど、得意先のどこが落ちているのか掴んでいますか?」と質問します。

ここでまず、調べている方と調べていない方がいます。調べていない方はあまり経営熱心ではありません。さらに、調べている方が、「A社の売上が2割減っている」と答えた場合には、「では2割減った原因は何ですか?」と質問していくと、相手は答えながら頭の中が整理されていきますので、私が言うまでもなく自分でやるべきことやそのヒントに気付いていかれます。

先生ご自身も、事務所経営では経営者同様お一人で重要な判断をしていかなくてはならないかと思いますが、その辺りはいかがですか?

名倉先生

私の場合、師匠と呼べる人に出会えたことが大きいと思います。税理士の故柴田圭造先生がその人です。事務所経営をしていく上で、スタッフの問題、進むべき方向を間違えそうになった時、お客さまとの関係で悩んだ時等、叱られ、励まされ、元気付けられてきました。今でも、柴田先生だったらどう考えたか、何を言っただろうかと考えます。最終的には自分自身で決断していかなければいけませんが、心の支えであり判断する上で独りよがりにならないための一つのものさしでもあります。

師匠を持ちたいと以前から思われていたのですか。

名倉先生

私は、どちらかというと人との付き合いが下手でした。自分の苦手なところを改善するためにも、師匠と呼べる人を欲しいと思っていました。出会うべき人とは必ずどこかで出会えるものです。柴田先生の講演会に参加したのがきっかけでお付き合いさせていただくようになりました。

実務の面ではフリーパスポート会員としてダウンロードをご利用いただいていますがどのように活用されていますでしょうか?

名倉先生

事務所の行き帰りに聴いています。いきなり条文を読んでもなかなか頭に入りませんから、難しい、分からないものはいきなり調べないで、まずは耳に通します。とりあえず何度も繰り返し聴いてから読むと非常に理解が早いので効率的に疑問を解決しています。