人を見て、事件を選ぶ

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多湖・岩田・田村法律事務所  弁護士
多湖 章 先生
東京都千代田区麹町4-3-4 宮ビル4A・5A

事務所開設後、不動産案件を中心に着実に規模を拡大している多湖・岩田・田村法律事務所。所長の多湖先生に、仕事のこだわり、セミナーの開き方等についてお聞きしました。

多湖先生の仕事のこだわりを教えて下さい。

多湖先生

どういう人からの依頼なのか、誠実な人なのかを見極めることが、受任を決める際に特に大切なことだと私は思っています。弁護士ですから、相手方から恨まれることは覚悟しています。しかし、起きてはならないのは依頼者とのトラブルです。勝ち目がある事件でも、不誠実な依頼者の事件を受任した結果、訴訟の過程で証拠を隠していたり、ウソをついていたとい うことが後から発覚し、負けてしまった。その場合、依頼者が「お前のせいだ!」と弁護士に向かって攻撃してくることもあります。また、受任したものの依頼者から連絡が来なくなってしまったり、協力してくれない場合は大変困ってしまいます。特に地方の場合、都心の大規模事務所に比べてより弁護士と依頼者との関係が密で、一対一の関係になっていると思います。そのため、依頼者との関係がこじれて悪い評判になると、その噂はすぐ広まってしまいます。「人を見て、事件を選ぶ」ことは大変重要です。

では、依頼者との接し方で気をつけているポイントはございますか。

多湖先生

話し方です。例えば、被害を受けました。相手に殴られました。だから、相手を訴えたい。そうした方に対して、あくまで被害者であるという気持ちで接することが大事です。被害者に見えて実は加害者というモンスタークレーマーも中には確かにいます。しかし、あなたに落ち度があったと、頭ごなしに否定することはしません。自分が精神的につらいから弁護士に相談に来たのに、却って精神的な負担が倍増してしまうことは避けなければいけません。

多湖先生はセミナーの依頼を積極的に受けているそうですが。

多湖先生

はい。私からセミナー会社に積極的に企画の提案をすることもあります。大体年に6回ほど顧問先や一般の方に向けてセミナーを行わせていただいております。

セミナーを多く開きたいという先生方もいると思いますが、コツは何でしょうか。

多湖先生

こちらから、「法改正がされたからセミナーをしたい」と売り込む。旬な企画を常に意識しておく。こうしたことがコツではないでしょうか。また、「下級審でこんな判例が出ました」というネタを常に持っておくとよいです。特に不動産系は、地域地域で裁判の結果が多少変わるケースがあります。例えば、地域によっては、更新料をとらないことが通例の場合もあります。そう いった地域で更新料をとっていた場合、消費者契約法に反し無効ではないか。という判断がなされることも想定されます。また、郊外だと、巨大なスーパーのある幹線道路沿いに見られる、オーダーメイド賃貸という、地主が借主仕様に建ててあげる郊外ならではの賃貸契約があると思います。地域の特性に合わせて判例や事例を紹介することが、その地域で実施するセミナーでは重要なことではないでしょうか。東京にいると、その辺はあまり意識しないのですが、検討の余地はあると思います。

最後に、多湖先生ご出演商品(「現場を経験して初めて分かった 建物明渡強制執行のポイント」、「賃貸人・不動産オーナーが喜ぶ 立退・明渡交渉を有利に進める実務」)の聴きどころを教えてください。

多湖先生

 「建物明渡強制執行のポイント」については、私の現場経験に即して話している点が聴きどころです。執行現場を想定しながら聴いていただけると、より実感がわくかと思います。「立退・明渡交渉を有利に進める実務」については、「強制的にライフラインを止めてよいのか」など、実際の交渉で上手くいった事例が参考になるのではないかと思います。私が実際使った書式も載せておりますが、これは一般の基本書や書式集にはまず載っていない内容です。