寺院のガバナンスとコンプライアンスを啓蒙

Ph1
横浜関内法律事務所  弁護士
庄司 道弘 先生
 弁護士
本間 久雄 先生
 弁護士
平賀 孝治 先生
神奈川県横浜市中区南仲通1-6 関内NSビル2 階

事務所開設から40年、一般民事事件を始め、刑事事件や行政事件など、幅広い分野を取り扱う横浜関内法律事務所の庄司先生、本間先生、平賀先生に、特に注力している寺院法務の取組みについてお話を伺いました。

事務所で、寺院にまつわる法律問題(寺院法務)に取り組み始めた経緯を教えてください。

庄司先生

日頃、事務所としては、一般民事事件や刑事事件、企業法務などに取り組んでいますが、寺院法務との関わりも実は古くからあって、私がまだ駆け出しの頃、知り合いの弁護士から、お寺の借地問題を紹介されたのがきっかけでした。

僧籍を持つ先生が在籍していると聞いたのですが。

庄司先生

本間弁護士がそうです。

本間先生

寺院法務に関しては、個別問題の解決はもちろんですが、寺院の法律顧問の獲得にも取り組んでいます。また最近では、宗教法人の法律問題に関する書籍を上梓しました。

寺院法務には、どのようなものがあるのでしょうか。

本間先生

借地管理やお墓の問題が多いです。また、宗教法人は、保育園や老人介護施設、あるいは病院なども運営している所もありますので、こうした分野の法律問題の解決にも取り組んでいます。

借地管理の問題について、もう少し詳しく教えてください。

本間先生

寺院は土地をたくさん持っている所が多いのですが、その借地管理がきちんとできていない場合が多いです。また、更新料や借地権譲渡の問題など、ひと口に借地管理といっても様々な問題があります。これらに適切に対応すれば、寺院も宗教法人としての基礎を固めることができるようになります。

ほかに寺院に特徴的な問題はありますか。

本間先生

墓地を運営しているのに規則が整備されていなかったり、人を雇っているのに労働保険や厚生年金に加入していないなどの問題があります。寺院には、宗教法人としてのガバナンスやコンプライアンスを身に付けてほしいという思いがあり、顧問先などに対して積極的に啓蒙活動を進めているところです。

寺院に関する案件で印象的なものはありますか。

本間先生

本堂は寺の住職の名義、土地は寺に寄進した人の名義になっていたケースで、寄進した人の相続人から、本堂の撤去を求められた事案です。私は住職の代理人として、寄進するという過去の文言や古い関係資料を集めて反論した結果、撤去を免れたうえに、その土地の名義も移転してもらえたというものです。その時に住職や檀信徒から大変感謝されたことが非常に印象に残っています。寺院の場合、権利関係が旧態依然としているケースが多く、だからこそ、こういった事件には、やりがいも感じます。

事務所で大切にしているモット ーは何でしょうか。

庄司先生

私の場合は、一人ひとりの人間性を実現することです。たとえ今は隠れて見えなくても人は必ず人間性を秘めています。その人間性を重んじることを大切にしたいと考えています。

最後に今後の展望をお聞かせください。

庄司先生

これまで同様、寺院法務にも力を入れて取り組んでいきたいですね。

本間先生

他士業の先生と協働しながら、寺院の法的問題や経営面での問題にワンストップで対応できる、専門家による総合的なネットワークづくりを進めていきたいと考えています。

平賀先生

宗教法人の公益性や信教の自由に配慮しつつ、ガバナンスやコンプライアンスといった法的な秩序を寺院に根付かせることで、檀家さんや周辺地域の方々の発展に貢献していきたいと考えています。