商品が先ではなく、ニーズがあるから商品になった!

司法書士・行政書士 オフィス・リーガルナレッジ  代表
荒金靖博 先生
東京都港区新橋二丁目16番1号ニュー新橋ビル707号

今、大いに注目されている相続業務に早くから取り組み事務所の中心業務としている司法書士の荒金靖博先生にそのきっかけと今後の展望についてお聴きしました。

相続業務に力を入れるようになったきっかけは?

荒金先生

独立後は、頼まれたことは、選り好みせず、経験ある業務も、始めて行う業務も何でも挑戦して挑戦していました。そんな中でたまたまある会社の人と知り合いました。その方から、亡くなった方の遺族の名義変更などの手続きのフォローをしてくてないか?と頼まれたのがきっかけです。

相続業務を始めたら紹介してくれる人ができたのですね?

荒金先生

実は、そうではないのです。お声をかけいただいた当時は、正直に言うと相続業務はそれほど多くはしていませんでした。しかし、せっかく頼んでいただいたのに断るなんて申し訳ない。そこにあるニーズに応えて挑戦してみようと思いました。仕事というのは、頼まれたとき、すなわちニーズがあるときにどう対応するかが勝負だと思うのです。商品が先にあって売れたから実行するのではなく、ニーズがあるから商品化していった、ということです。

相続発生後と遺言の作成など相続発生前の業務ではどちらの依頼が多いですか?

荒金先生

これは、相続発生後の手続き業務の方が多いです。もともと業務を紹介いただく方の仕事柄、お亡くなりになられた被相続人のご家族へフォローが中心だからです。しかし、実際にお手伝いをしている中で、二次相続を考えると遺言を作った方がもめごと防止になり、手続きも楽になるからいい、とか、保険に入って方が非課税枠はもちろん、分割も考慮できていい、とかご提案できる仕事がたくさん出てきます。

お客様も相続の事前対策となると、いつ起こるか分からないことに対してなかなか踏ん切りがつかず、結局何もしないままになってしまっている方が多いと思います。それは、死亡者数に対する遺言の割合が1割に満たないことからもうかがえます。

しかし、現実に相続が発生し、いかに相続が大変なことか経験し、将来に対する不安が顕在化していますから、ここで、初めて事前対策に向かって動き出すきっかけになります。そのとき、いかに面談でニーズを引き出し、何を提案するかです。これもやはり、商品が先ではなくニーズが先です。商品を売りつけるのではなく、ニーズを商品にするのです。

これからの相続業務のニーズはどんなものが考えらますか?

荒金先生

相続業務には、まだまだ大きな可能性があると思います。今後35年間にわたって毎年100万件もの相続が発生すると言われています。にもかかわらず、不動産の相続登記だけでなく、様々な相続手続業務を司法書士にお願いできる、ということ知らない人がほとんどです。先日も、銀行に相続手続をお願いしたら100万円以上かかると言われて驚いた、という人が紹介されてきました。まず、司法書士にお願いできるということをもっと知ってもらうことが大切です。

さらに、実際に相続手続業務を実行してみると、現在、一般的に行われている業務だけではなく、もっと多くのお手伝いができるニーズがあることに気づきます。例えば、証券を相続するケースは少なくありません。亡くなられたご主人はインターネットで株取引をしていたという場合です。相続人の奥様は株取引はしていないので、換金してお金で欲しい、というニーズもあります。そのニーズに対して、どう商品化するかです。それが、商品ラインナップとしてメニューに並んでいれば、商品として選んでいただけますし、代金も別途いただけます。メニューになければ込み込みになってしまいます。相続が発生したお客様からいかにニーズを聞き出して、商品化し、いかに商品として見せるか、が大切だと思います。